アメリカ先進物流企業視察を終えて…
6月5日から11日まで船井総合研究所ロジスティクスグループ主催でアメリカへ企業視察に行ってきました。
次世代のキーワードである、AI、IoT。
今後これらをどのように活用していくか。すべては人が幸福な人生を歩むための技術革新でなければ意味はありません。
意義のある活用の仕方、また我々物流事業者にとっては将来それらをどうに自社に取り込んでいけば社員、お客様、会社がハッピーになれるかのヒントを得ることが私の今回の目的でした。
日程の前半はサンフランシスコやシリコンバレーに拠点を構える3社を訪問。
1社目のZenDrive社はスマートフォンのセンサーを活用して、運転行動を測定し改善するサービスを提供しています。
BMW社と共同開発した自動衝突検出技術や15億マイルもの実際の走行データからドライバーのコーチングや常時大量の車両の走行を監視することができることから事業者向けのサービスとして期待されています。驚きは、高価な車載ハードウエアを必要とせずドライバーの持つスマートフォンのみでこれらのことを成し遂げるというのです。
既存のデバイスの活用とビッグデータの応用のみでドライバーを安全運転に導き、交通事故を減少させるというイノベーションを巻き起こそうとする会社です。
2社目はPeloton Technology社で日本のデンソーや三井物産からも出資され、最新のレーダーを使った車両間通信技術とデータを用いてクラウドベースで中央集中管理することで、アダプティブ・クルーズ・コントロールを2台のトラックで隊列走行を行うという技術を開発する会社です。
中央集中管理の元、安全にコントロールされた2台の車両の車間距離を縮めることで風圧抵抗を少なくし、燃料費を削減することが可能となります。
上記の会社はそれぞれ安全や環境負荷軽減にフォーカスし将来人間の役に立つ研究開発をされてます。近い将来、何かしらのカタチで日常の風景に溶け込む日が来るかもしれません。
3社目はFetch Robotics社。ロボット開発の会社です。
ここのロボットの特徴は搬送用ロボットを見学させていただきましたが、倉庫内に障害物や人がいても倉庫内環境をレーザーセンサーやカメラによって避けながら倉庫内を走行することが可能である自立走行型ロボットである点です。またRFID(電子タグ)の付いた在庫商品であればこのロボットに読取り機を搭載すれば、ロボットが勝手に無人の倉庫内を縦横無尽に走行し一瞬にして棚卸作業を完了させるところも驚きでした。
こういうロボットが普通になれば現場も人に優しい環境づくりが進むでしょう。
後半はロサンゼルスに移動し規模別にして大、中、小と実際の物流企業を視察してきました。
いずれの会社もIT技術活用は当たり前ですが、それぞれ特徴を持って、言い換えれば強みを最大限に活かして企業活動をされているところが強く印象に残りました。
港湾に拠点を置いて輸出入貨物に強い会社、温度管理に厳しい種苗や農産物の保管物流に強い会社、特定顧客層のインフラになっている会社等。
あらためて我社の強みは何かと問い直す機会が重要であると認識した次第です。
また各社規模は違えど現場が必ず存在しています。そこでの発見は現場で働く方々にも毎月の誕生日パーティーや各種報奨等でフォーカスを当て、アメリカでも人を大事にしている企業姿勢です。
徹底したオペレーションのデジタル化と、人を中心にしたアナログ的なマネジメント!絶妙なデジタルとアナログにバランスが大事なんだと学びました。
今回の研修視察旅行のまとめとして、
我社は、何が強みなのか!何をこれからも伸ばして、何をやらないのか!この選択と集中を明確にして、15年先の創業100周年を迎えるまでに、次の100年を目指せるだけの企業価値を高めていくことが私のミッションです!
ありがとうの笑顔が溢れる会社になろう!